2011 CAMARO SS Race Car

有限会社アドバンスオート
223-0057
神奈川県 横浜市 港北区
新羽町889
TEL:045-546-3063
FAX:045-546-3064
定休日: 月曜日・第1日曜日
営業時間: 10:00~19:00

2011 CAMARO #2 RACE CAR 製作開始【問題の傾向と対策編】

この2011 CAMAROに関しては、あくまでもサーキットをただ走行するのではなくレースに参戦して戦闘力が有る車を製作するという事が大前提と成ります。
手をかける前にまずはGMから出てきたそのままの状態を把握したいので、いきなり改造はしません。
実際にドライビングしたり、リフトで上げて、下回りの構造やサスの形状、ブレーキ関係、各部品のレイアウトなどを見て、そのままではサーキット走行は無理だな~と言う部分を拾い上げてどういう方法で改善できるか?
現実にお金がかかってきますので必要パーツの性能&価格検討、優先順位の検討、そして見積となっていきます。

割りと良く見受けられるのが、車を購入して一回も乗る前にいきなり、あちこちをモデファイしてしまうと言うパターン。
私的には少しもったいな~と思います。 なぜなら自動車メーカーが持てる能力を結集して、テストを繰り返して発売までこぎつけた車です。その車輌がどんな動きをするのか。 体感してみたいとは思いませんか? 安全面、コスト、法規などの制約はもちろん有るでしょうが、メーカーもその時点で出来る最前の事を施してリリースして来るはずです。(縛りがあって諦めた部分も多々有ることとは思いますが・・・)

まずはそのまま乗ってみてください! 俗に言う『つるし』の状態で乗ってみてください!
一般に販売されている車ですから有る程度万人向けに製作されていますので、『この部分は操作し難いな~』『もう少しココが~』『さすがに良い車だな~』なんて思う部分がいくつも出てくるはずです。そう!ご自分が気になった部分を忘れずよ~く覚えておいて下さい。(できればメモしておいて下さい。)
モデファイが進んで行く都度、ノーマル状態との比較が出来る様に成ります。
雑誌やネット上でのお決まりの評価ではなく実際に御自分が体感し評価が出来る事となります。
『金かかった割りに変わんないな~』とか『安い部品だけどすっげ~良くなった。コストパフォーマンス最高!』とかね。
せっかくですから、そんな事も大いに楽しんじゃってください!

オーナー中ちゃんが慣らしの最中も並行して実際にカマロをドライブさせて頂きFSWでの走行もさせて頂きました。
すでに5thのCAMAROがリリースされてから何台かはドライビングさせて頂いているので必要な箇所の何点かは把握できていました。
まずは現状でのコーナーウェイトを計測します。
ガソリンは満タン(72L)でトータル1,817Kg。

バランス的には、
RF/50.9% RR/49% LF/50.6% LR/49.3%
と言う数値でした。
V8 のアメリカ車にしてはビックリする位バランスが取れています。
最近のアメリカ車、真面目に作っているな~と感じられます。
同時にショックなども取り外してサスペンションのレバー比や有効ストロークなども確認します。
(後にショックを製作するときに必要となります。)

いよいよ中ちゃんを交えてモデファイ必用な方向性、必用箇所、使用部品、最終的なトータルでの展望を相談します。
モデファイ必要だと感じた箇所は・・・
1. クラッチをミートするとデフが大きく動いているような感覚が有る。
検証してみたら本当にデフマウントメンバーのマウント部分4箇所が上下に20mm~30mm動いています。
ここでカ減速時の衝撃を吸収させているものと推測できますがビミョーなアクセルワークに敏感に反応して欲しいのでALソリッドのマウントに交換します。
合わせて、デフマウント&エンジンマウントも PFADT社製のマウント類に交換です。 PFADT社はGMPP認定部品にもなっているPERFORMANCE PARTSをリリースしているアメリカの会社で、日本国内では唯一、アドバンスオートがテクニカルショップとして認定されています。


2. ロールが大きく怖い。
SWAY BAR(スタビライザー)もPFADT社製のRACE用・調製式の物を使用します。
3. 姿勢変化が大きく、姿勢が変化するスピードが早すぎる。
ADVではSACHS RaceEngineelingさんのショックを使用することが多いいのですが、CAMAROはストラット形状なのでワンオフするにはとても費用がかかります。
他でRACEにも十分使用できる物は無いのか?と物色していたらEIBACH社製のMULTI-PRO-R2 COIL OVER KITと言うのが見つかりました。
これをスプリングレートを変更して使用できないか検討して後にショックが対応できないレベルになったらストラットケースを使用して中身をSACHSで製作してもらえば(実際、OGUちゃん 3rd CAMAROで製作実績が有ります。)足りなくなったら何とかなるじゃん!で決定。

4. ブレーキは思ったより効くがFSWでの走行2周目位からペダルがフカフカになってしまう。 ノーマルでのテストと言ってもブレーキフルードはサーキット走行に適した物に交換済みでしたが、そんな状態でした。
調度その時期にオーストラリアのブレーキメーカーのDBA BRAKES AUSTRALIA社さんからUS経由でブレーキローター類のテスト依頼が有りまして、まずはDBAローター&PFC社製パッドを交換し純正装着のGM/BREMBOキャリパーと組み合わせてみる事にしました。
DBAのローターはオーストラリアやアメリカの『ショールームストック』と言うクラス(日本で言うN-1?)でも数多く使用されてきた実績の有るメーカーさんです。

  ブレーキフルードは年がら年中色んな銘柄&グレードをテストしていますので、最終的はその中から適切な物をチョイスします。 多分ブレーキシステムはいずれシステム変更と成りますが、モデファイPARTSの中でもかなり高額に成りますので ローター&パッド+フルード交換でどこまで持ちこたえるかテストしてみます。  (車の現状に合わせて無理せずペースを考えつつ走行をこなせるドライバー中ちゃんだからこそ出来るテストです。)
5. 純正装着の20インチのタイヤ(P-ZERO)一回熱が入ると途端にグリップが低下する。
現在、中ちゃんがメインとして参戦しているSCCJ INTER CLUB PH-Tクラスでは使用できるタイヤはSタイヤまでで(スリックは使用不可)現実的に販売されている戦闘能力が有るSタイヤは18インチまでしか有りません。
タイヤは現時点でSタイヤ最強と思われるHANKOOK Z221のフロント265/35-18、リア295/30-18を使用したい。

ホイルはフロント9.5-18J / リア11-18Jを使用したいが調度良いホイルが有りません・・・・
Z06のホイルでお世話に成っているNEEZさんに御願いして製作して頂いちゃいました! ADV ZO6にも装着しているご機嫌なホイール、AP60です。
6. シートを替えないとホールドが悪く、左右にと飛んで行ってしまいそうです。
1995CAMAROにはSPARCO社製を使用していましたが今回は国内メーカーのESQELETOさんのシートをチョイスしました。(写真はフィッティング用のシートです。) RACE用のシートベルトも用意しておかなければなりませんが、それは1995CAMAROで使用していたものを流用。
  私の場合ですが、RE●AROに座ってペダルを合わせるとハンドルが遠く、背中が立ち過ぎている感じがする。(向こうの人は手が長いんだな~?) SPA●COはシェルの剛性が不足しているようで視線が動いてしまう。(過去にメーカーさんに質問した事が有りますが、『しなりで疲れを軽減している。』と言うお答えが帰ってきちゃいまして、それ以来使用していません。現行の物は変わったのかな~?)
国内のメーカーさんでフィッテイングさせて頂き、更に調製して頂いた物を使用しています。 表皮の張替えや体型が変っての肉盛り等後々のメンテナンスも非常に楽に出来ます。
車に乗っている間ずーっと座る物ですから、ご自分のお気に入りの物を是非見つけて下さい!
7. ステアリングが大きすぎて操舵がしにくい
ステアリングは同じく1995CAMAROで使用していた物を流用、困ったのはハンドルボスですが、車が出来上がるまでに何とかしま~すという感じで簡単に請け負ったのですが、実際はすんなりは行きませんでした・・・・